
弊社では、街の塗装店さんとのお付き合いがたくさんありまして、Webマーケティングご支援や、塗装店さん向けのセミナーをしてきました。
ご支援のご相談を頂く際、「今どんな施策を打たれてますか?」「結果はどうでしたか?」「どんなことでお困りですか?」などをお伺いします。
すると大抵、この3つの答えを頂くことが多いです。
- HPをどういうデザインにしたら良いか分からない
- HPを変えたりネット広告を打ったりしたけど、成果が出ない
- 現場対応が忙しくて、ネットの方まで手が回らない
つまり「進むべき方向が分からず霧の中、何も見えない状態で手探りで何とかしようとしている」というケースが多いです。
その上、街の塗装店さんは大きな上場企業のように、マーケティングの部署があって専門知識を持ったスタッフがいて・・・というわけではありません。
5,6人くらいの規模で、現場から経理からマーケから全部やらないといけない、という体制である事がほとんどです。
かけられる時間・手間・お金などのリソースが、非常に限られている。
こういう時どうすべきでしょうか?
答えは、効果の見込める打ち手が何なのかを明らかにし、そこに時間と手間とお金を集中させることです。
「選択と集中」という言葉があるように、あれもこれもと手を出すのはいけません。
そこでこの記事では、街の塗装店さんが取るべきマーケティング戦略の立て方と、その各戦術について詳しく解説します。
マーケティング戦略の立て方
マーケティング戦略を立てる時に参考になる、「3C分析」という考え方の型をお伝えします。
市場を「自社」「お客さん」「競合他社」の3つに分けます。
そして「お客さんが求めているものを、自社が提供できるか?」と「それは競合他社に勝っているか?」の2点について考えるのです。
外壁塗装の市場で、お客さんが求めているものとは何でしょうか?
もうこれはある程度決まっていまして、実績・価格・安心・品質・保証です。
これらのポイントについて、競合他社と比較します。
エリアに競合他社がどれくらいいるかは、皆さんよくご存じだとは思います。
弊社では、ご支援施策をするエリアについて最初は土地勘が無いので、Googleマップを使う事が多いです。
Googleマップで自社を中心に置いて、「外壁塗装」で検索すると、競合他社さんがマップ上に表示されます。
それらの中から、商圏内にある他社をリストアップします。
数が多い場合は、エリアを狭めたり、その中でも有力なところ5,6社ほどに絞ってください。
この地域で自社がどんな戦略で施策を進めていけば良いのか、それを見極めるためにオススメなのが、「星取り表」の作成です。
星取り表とは、お客さんが求めている各ポイントについて他社との関係性をまとめた表のことで、自社が取るべきWebマーケティングの方向性を定めるのに、とても役に立ちます。
サンプルをご覧頂きながらご説明します。
星取り表の作り方
項目 | 自社 | 競合他社A | 競合他社B |
---|---|---|---|
【価格】 ・価格例が記載 ・素人にも分かりやすい |
・3プラン掲載 ・30坪80万円~ |
1プランのみだが分かりやすい | ・7プラン掲載 ・50万円〜だが内訳不明 |
【実績】 ・施工件数が豊富か? ・何年ほどやっている会社なのか? |
500件 | 20年 | 1,000件(グループ全体) |
【品質】 ・塗装に対しての知識が豊富か? ・塗装の国家資格を持っているか? ・デザインのセンスがありそうか? |
国家資格取得者3名所属 | 記載なし | 塗料の説明 |
【安心】 ・社長の人柄は良さそうか?常識はありそうか? ・地域に根ざした会社か? ・コミュニケーション能力がありそうか? ・クチコミは悪くないか? |
記載なし | 社長の想いが長く書かれている | ・スタッフ写真 ・ショールーム |
【保証】 ・なぜ保証が必要なのか? ・保証とは具体的にどういうことか? ・問題が起きた時の対応について記載しているか? ・無償で対応してもらえる期間は何年か? ・どのような時に有償となるか? |
3年~最大10年 | 5年 | 記載なし |
左端には、お客さんが塗装店に求めることを書きます。実績・価格・安心・品質・保証の5つです。
私はあらかたこの5つだなと思っていますが、もし他にも重要だと思われる項目があれば、行を追加して下さい。
そして最上段の見出し、左端は自社、そこから右には競合他社名を記載します。
そして各項目ごとに、各社のHPでのアピール度合いを評価していきます。
実績は数値で記入し、それ以外の項目はHP上でどのような点が記載されているかを簡単に記入して下さい。
評価は厳密なものではありませんので、ざっくりと「自分にはこう見える」という程度で良いです。
星取り表の入力のしかた
各項目について、具体的にどのように評価するかをご説明します。
価格
価格は言うまでもなく、お客さんがものすごく気にするポイントのひとつです。
価格は安いかどうかもありますが、それと同じくらい、分かりやすく記載されているか?も評価して下さい。
外壁塗装を3回も4回も依頼したことがある方は非常に少なく、多くのお客さんが初めてだと思います。
ですので外壁塗装っていくらぐらいなのか、10万円なのか50万円なのか100万円かかるものなのか、金額感が全く分からないのです。
もちろん坪数や塗料の種類によって上下はしますが、これぐらいなんだなという金額が分かる必要があります。
またこの時、専門用語を使わず、塗装の知識が無くても分かるかどうか?を評価して下さい。
「〇〇シリコンプラン」「ラジカル〇〇プラン」など言われても、自分の家を塗り替えるのに合っているのかどうか全く分かりません。
HPにプランを掲載する時は、「高耐久プラン」「低価格プラン」など、とにかく分かりやすい言葉にしましょう。
実績
示せる実績はおもに2パターンです。
施工件数か、営業年数です。
これは数値で表せるため、明確で伝わりやすいポイントです。
この実績訴求で勝てるポイントがあると非常に戦いやすいので、これで勝てるのであれば、実績訴求が一番良いでしょう。
品質
塗装に対しての知識が豊富か?塗装の国家資格を持っているか?デザインのセンスがありそうか?などのアピールが、お客さんからみて「品質の高い塗装をしてくれそうだな」と感じてもらえるポイントです。
よく「ウチの会社は高品質な塗装を実現します」、そしてその根拠として塗料の品質について書かれています。

例えば耐久年数が長いとか、遮熱効果が高いとか塗料によっての特徴があると思いますが、多くの場合で説明が専門用語の羅列になっていて分かりづらく、伝わりません。
塗料缶の写真があって、「〇〇トップ3000F」などと書かれても、お客さんからするとよく分からないです。
分かりやすく「耐久年数が13年の〇〇塗料を使います、他の塗料に比べて比較的長持ちします」くらいかみ砕いて書かれてあるかどうかを見てください。
加えて塗装の品質に強く結びつくのが、職人さんの技術です。
例えば国家資格を持っている職人さんが何人所属していますとか、また地域で良く知られた施設があれば、あれはウチが塗りましたとアピールするとポイントが高いです。
安心
安心は、社長の人柄は良さそうか?常識はありそうか?地域に根ざした会社か?コミュニケーション能力がありそうか?敷地内に入ってもらって大丈夫そうか?クチコミは悪くないか?などが評価されます。
この項目は主に、不安を解消するための要素です。
お客さんは、自分の家の敷地、プライベート圏内に知らない人を入れるわけですので、警戒します。
社長の人柄、社員の人柄、常識はありそうか、近所に迷惑がかからないようにしてくれるか、コミュニケーションが取れそうか、身なりはキチンとしているか、そういう点が見られます。
また地域に根ざした店舗なりショールームなりがあると、この安心ポイントは高くなるでしょう。
あと金額にもよりますが、塗装工事は建設業許可が必要です。
先ほどの国家資格もそうですが、資格や許可といった第三者からの評価はとても強いです。
こういったものが掲載されていることでお客さんは、「この塗装屋さんは行政からの許可が出た信頼できる業者なんだな」と安心します。
保証
保証は、なぜ保証が必要なのか?保証とは具体的にどういうことか?塗り終わってから問題が起きた時の対応について記載しているか?無償で対応してもらえる期間は何年か?どのような時に有償となるか?などです。
よくHPに「何年保証」と書いていますが、そもそもお客さんはなぜ塗装に保証があるのか分かってません。
塗ったら終わりでしょ?って思ってます。
1,2年で、ひび割れや塗装のはがれが起きうるなんて知りません。
ですので、なぜ保証が必要なのか、そこから書く必要があります。
なぜ保証が必要なのか、どんな問題が起きうるのか、具体的に何を保証してくれるのか、保証期間は何年か、保証期間内でもどういう場合は有償かなど書きましょう。
以前お客さんにヒアリングした時、「保証とか言って何かモノを売ろうとしてるんじゃないの?」と言われたことがあります。
そのように警戒するお客さんがおられるので、説明が無いと良かれと思った保証が裏目に出うるのです。
星取り表はWeb戦略策定に大切
各社HPを見ながら、このようなポイントを評価し、星取り表を作成して下さい。
「面倒くさいなぁ、もっと簡単にパッと問い合わせが取れる方法を教えてよ。」と思うかもしれません。
しかし面倒だからこそ、他社はこんな分析をしません。それに実際やってみると、1時間ほどで形になりますし、気付かなかった事がいくつも見えてきます。
たった1時間でWeb戦略を立てるための競合分析ができ、しかも無料。
実際に動き始める前に、ぜひこの星取り表を作って下さい。
星取り表でNo.1やオンリーワンを探す
こうやってこの星取り表を作ることで、各社が何に重きを置いてHPを作っているのかが分かるようになります。
そしてそういう競合他社との関係性の中で、自社は何かについてNo.1やオンリーワンである事が打ち出せないだろうか?を探します。
No.1やオンリーワンはとてもアピールしやすく、またお客さんに伝わりやすくもあるからです。
これは比較がしやすいので、例えば地域で一番長くやっているのであれば「〇〇市で20年の実績」、施工件数が多ければ「〇〇市で施工件数500件」で伝わります。
どんな切り口であれば自社がNo.1なのか、それを探して下さい。
強みを見つけるポイント
ここで強みを見つけるポイントをお伝えします。
たとえ仮に他社の方が勝っている事であっても、それを他社がHPで謳ってなければ自社としてはどんどんアピールすべきです。
例えば30年やってる他社さんがおられるエリアで、自社は20年であれば、年数はひっくり返せません。
でも、その他社さんが30年と記載していないのであれば隙を突くチャンスです。自社の強みとしてぜひ20年とアピールしましょう。
ただ何らかの強みがすでにある塗装店さんは良いのですが、競合ひしめく激戦エリアですと、なかなか現実問題としてNo.1の切り口を見つけるのが難しいかも知れません。
その場合は「100種類もの中からお好みの色を選べます」など他社がアピールしていない、全く違う軸での戦い方を考える必要があるでしょう。
または、クチコミ件数をたくさん集めて「Googleマップ クチコミ件数何百件」だったり、社内教育を充実させることで資格取得者を増やして「国家資格取得者が何名在籍」とアピールするなど、No.1やオンリーワンに現時点で一番近いところを見つけ、強みを徐々に作って行く取り組みが必要でしょう。
ここまでは数値で評価できる、定量的なポイントを探してアピールしましょうとお伝えしていますが、安心感など数値化できない点、つまり定性的なポイントについてアピールする方法もあります。
これは特に強みが見つからない塗装店さんに役に立つ施策でして、後半で「問い合わせ獲得設計」という項目でお伝えしますので、そちらをご参考下さい。
公平で公正な評価を
No.1表現というと「お客さま満足度No.1」とか「品質No.1」などを書いている会社さんがおられますが、これは良くありません。
おそらく「満足度や品質がとても高いです」と言いたいのだと思うのですが、とても高いという主観的な評価と、数ある中でNo.1であるということは違います。
本当にNo.1であるのなら、第三者が評価できる公平で公正な根拠を必ず示してください。
No.1表現はとても強い一方で、お客さんから「適当なことを書いて、騙そうとしているな」と受け取られやすくもあるため、取り扱いにはかなり注意が必要です。
私は「No.1を探しましょう」とお伝えしていますが、根拠を示せないのであればNo.1と書くのは避け、「〇〇市での塗装実績500件」と記載した方が良いです。
Web戦略をHPに反映させる
まずは何をするにもこの星取り表を作り、自社にとっての勝ち筋を明確にしてください。
そしてこれを決めることこそが、Webマーケティング戦略を定めるという事なのです。
それにより、HPのトップページ・リスティング広告・SEOで使うページタイトルなどで、戦い方が統一できます。
ここの戦略軸がキチンと決まっていないHPは、とてもたくさんあります。
この記事の最初でお伝えしました、多くの塗装店さんが困っておられること、「どんなデザインにしたら良いか分からない」「施策を打っても成果が出ない」というのは、ここが定まっていないからです。
戦略軸が定まっていないのにデザインや広告などを進めても、施策が上滑りしてしまうので効果が出ません。
コピーには「安心と実績の」と書いてあるのに、安心できる要素を書いていなかったり、実績数は他社さんの方が全然多かったりという事はしょっちゅうです。
「よその塗装店さんがこうやったら上手く行った」という話を耳にして、自社もマネしてみたけど上手く成果が出なかったという事はありませんか?
それはここまでのご説明でお分かり頂けたように、塗装店さんによって強みが異なるので、施策だけマネしても再現性が低いのです。
皆さんご存じの通り、塗装店って競合が多くて厳しい世界です。
戦略軸が定まっていないHPでは勝てません。
必ず、この足もとを整えてから動き始めてください。
SEO対策
GoogleやYahoo!の検索からHPに来てもらい問い合わせにつなげる、これは塗装店さんのWebマーケティングとしてはド本命のゴールデンルートです。
そして検索からの集客力をアップさせることを、SEO、SEO対策と呼んだりします。
ここでは、もう基本的な情報はサイトの中にすでに掲載済みのHP、自社の強みを分析してアピールしているし、施工実績も掲載、社長がどんな人でどんな思いでやってるか、HPの構造も大丈夫と。
その段階で塗装店さんがやるべきSEO対策を、2つお伝えします。
タイトルと説明文の改善
お客さんが「外壁塗装 〇〇市」で検索して、検索結果の画面が表示されます。
でもお客さんは、上から順に全てタップするわけではありません。
この表示されたそれぞれの文章を読んで、「ここ良さそうかも?」と思って、選んでタップします。
ですので、このタイトルと説明文を魅力的でクリックしたくなるような文言に変更することで、掲載順位が上がらなくてもタップされる確率が改善され、集客力がアップします。
ここのタイトルに書く文言、それは星取り表を作って決めた自社の強みです。
必ずタイトルと、HPのトップページのメインコピーは、軸を揃えて下さい。
自社の強みが施工件数訴求で、HPのトップに「施工件数何件」と書いてあるのであれば、タイトルもそれに必ず揃えて下さい。
HPのトップに「安心と実績」と書いてあって、タイトルは「20年の実績」と言った感じで、言ってることがちぐはぐな状況は良くありません。
そしてタイトルには必ず商圏と「外壁塗装」と店名、この3つを必ず書いて下さい。
例えば「大分市の外壁塗装、施工件数500件の〇〇ペイント」といった具合です。
出来れば30文字をあまり超えない程度にまとめて下さい。
そして説明文は、タイトルに書ききれなかった事やを主に入れて下さい。
タイトルと同じ事や、「〇〇塗装のホームページへようこそ」など意味の無い事を書くともったいないです。
限られたスペースで読み手に価値ある情報を届けられるよう留意しましょう。
塗装ブログ
「外壁塗装 〇〇市」で検索した時により上位に表示されれば、検索からの集客力がアップするため、掲載順位を上げる事を狙っていきます。
そこでSEO対策ふたつ目、塗装に関するブログを書きましょう。

ブログというと「今日こんな事がありました」「ランチにトンカツを食べて午後からも頑張ります!」といった事を書く方がおられます。
でもこのような日記を書いても、誰の何の役にも立ちません。
必ず、塗装についてのお役立ちブログを書いて下さい。
例えば色の選び方についてや、見積りの見方などは、お客さんの関心度が高い内容です。
「何を書いたら良いか分からない」という方は、関連キーワードを調べるツールを使ってネタ出しをしましょう。
無料で使えるラッコキーワードさんをご紹介します。
ここに「外壁塗装」と入力すると、外壁塗装と一緒にどんなキーワードがよく検索されているのかが一覧で表示されます。
またはYahoo!知恵袋でも同じように、お客さんの悩み事や関心事が出てきます。
これらのツールを使って、お客さんの役に立つブログを書きましょう。
そうすることで、例えば「外壁塗装 色の決め方」で検索したお客さんが自社のHPに来てくれるようになります。
またGoogleからも「この会社のHPは、役に立つ情報が多いな」と評価されるようになりますので、上位表示の要因のひとつを満たせるようにもなるでしょう。
繰り返しますが、ブログの内容はあくまでお役立ち情報にし、日記などはほどほどにしてください。
Googleマップ対策(MEO)
お客さんは、近くの塗装店を探すことが多いです。
そのため、Googleマップから集客できる、Googleビジネスプロフィール(Googleマイビジネス)の管理はとても大切です。
おそらくほとんどの塗装店さんは、マップ対策(MEO)業者さんから電話がかかってきたことがあると思います。
私は、マップ対策(MEO)については、業者さんにお金を払ってまで管理をしてもらう必要は、ほとんどの場合で無いと考えます。
最初に情報をキチンと登録すれば、あとは毎月そんなに手間のかかるものではありません。
ポイントを絞ってお伝えしますので、できれば社内でやりましょう。
登録情報
店舗名・住所・営業時間など、基本的な情報は全て登録してください。
住所は、登記されているもの・HPの会社情報ページに記載された住所・マップの住所、この3つを一言一句違わず全く同じ表記にしてください。
例えば「三丁目4番20号」を、「三丁目4-20」と書いたり、漢数字の三を3にしたりせず、登記とHPとマップの住所表記を全く同じにしてください。
見落とされがちな項目が、説明文です。
ここは700文字ほどで、自社の特徴を入力してください。
文章を書くのが面倒なので空白にしている方が多いのですが、この文章も検索の対象となるのでもったいないです。
「屋根の遮熱塗装もできます」と書いておけば、お客さんが「屋根塗装 遮熱」で検索した時にその文字がヒットし、マップに表示されやすくなります。
クチコミ
クチコミの数や評価なども重要な指標です。
塗装が完了したお客さんに、「他のお客さんのためにも、ぜひクチコミを書いてください」と依頼しましょう。
単にお願いしても書いてくれにくいので、例えば名刺サイズのカードに二次元バーコードを印刷して、それを読んだらクチコミフォームが開くようにするなどが良いでしょう。
注意して頂きたいのは、クチコミの対価にお金やクーポンや物品などを渡してはいけないということです。
これはGoogleビジネスプロフィールの規約に記載がありまして、通報されるとペナルティを受け、マップから自社のビジネス情報が消されてしまうこともあり得ます。
絶対に、クチコミの対価にお礼を渡さないようにしてください。
最新情報の更新
Googleビジネスプロフィールには最新情報という項目があり、ここにお知らせ文章や画像を登録できます。
例えば店舗でイベントを行うとか、チラシをまきますとか、ブログを更新したとか、何でも良いです。
お客さんが見た時に、近い日付で更新されていることで、「活気のあるお店なんだな」と人気(ひとけ)を感じてもらうことが目的です。
問い合わせ獲得設計
最終的に欲しいのは受注ですが、HPからいきなり発注してくれるような人はまずいません。
通常はその手前に問い合わせがあって、そこから営業の方とすり合わせをして、じゃぁ御社にお願いしますねというステップを経ます。
ですので塗装店のHPのゴールは、問い合わせの獲得である事がほとんどです。
しかし状況は競合他社も同じですので、問い合わせの取り合いが起きます。
またお客さんとしては名前と住所と電話番号を入力するわけですから、いくら「お気軽にお問い合わせください」と書いたところで、実際にはそれなりにハードルが高いです。
そこで、お問い合わせの手前にハードルの低い中間ゴールを作って、それを達成してもらうのが良いでしょう。
私がオススメする中間ゴールは、セミナー動画の作成か、無料シミュレーションです。
セミナー動画の作成
公民館などでセミナーをする塗装屋さんがおられます。
あれは外壁塗装が初めての方向けに、注意点などをお伝えしつつ営業につなげるのが目的です。
この動画をご覧の方の中にも、「ウチもセミナーやってるよ」という方、おられると思います。
このセミナーを動画に撮って、YouTubeに置いておくのです。

YouTubeの動画は、限定公開といってURLを知っている方しか見られないようにする設定があります。
HPの中で「外壁塗装が初めての方へ、セミナー動画をご覧頂けます」と書いて、名前とメールアドレスか電話番号くらいは入力してもらい、申し込みがあったらURLを教えて観てもらうという形です。
動画だけでも良いですし、動画の内容をまとめた簡単なPDFや、業者を比較する際のチェックリスト、トラブル時の相談窓口一覧など、ちょっと役に立つ特典も付けるとお得感が増して申し込みが増えます。
このセミナー動画、単にHPに告知を載せるだけだとおそらく、あまり申し込みが来ないと思います。
これはMeta広告との相性が良いので、配信してみてください。
ネット広告についてはこの後ご説明します。
そうやって集客して、申し込みがあれば動画のURLをお知らせし、あとは一週間くらい待って「いかがでしたか?ご不明な点やお困りごとなどありませんか?」と引き上げの連絡をしましょう。
このセミナー動画施策は、話し方・表情・身振り手振りなどを通じて、あなたの人となりが少なからず伝わるというメリットもあります。
お客さんが外壁塗装の依頼先を探す時、やっぱりそこの社長さんがどんな人か、信頼できそうかというのが、とても大切なポイントのひとつです。
先ほどの星取り表での安心に当たります。
通常はこの安心は、HPで塗装についての思いを書いたりして何とか伝えようとするものですが、文字で書くよりもやはり動画で話しぶりを聞いてもらう方が伝わりやすいです。
競合他社と比較してNo.1が見つけられない塗装店さんにとっては、このセミナー動画は有効な施策ですので、ぜひ作ってください。
無料シミュレーション
「外壁塗装 シミュレーション」で検索する人は多いので、これを中間ゴールにするのも良いでしょう。
外壁塗装シミュレーションとは、建物の色をパソコンで画像加工し、注文前にお客さんに見てもらうことです。
無料にするかどうかというのは検討の余地がありますが、「シミュレーション作りますよ」と書いておくと引きが作れます。
社内に画像編集が得意な方がいれば、やってもらうのも良いでしょう。
またはネット上に、作業を外注依頼できるアウトソーシングのマッチングサイトがありまして、これを利用する手もあります。
ランサーズやクラウドワークス、ココナラなどのサイトで「外壁塗装 シミュレーション」「画像 加工」などで検索すると、やってくれる人が見つかります。
最近はPhotoshopやDALL-Eなど、画像AIが発達してきています。
残念ながら現時点ではパッとやってもらうのは難しいようですが、近い将来これはもっと簡単にできるようになるかも知れません。
問い合わせフォームの改善
問い合わせフォームは、できるだけ項目数を減らしましょう。
項目数が多いと、見ただけで「うわっ面倒くさい!」と思われて、お客さんが離脱してしまうのです。
例えば年齢や性別などは要らないですよね。
またふりがなも、読み方が分からなかったら検索すれば良いので要らないです。
予算や築年数などの項目があったりもしますが、こういうのは電話をかけ直した時や商談が進んでいく中でヒアリングすれば良いことですので、最初は要らないですよね。
各項目について「本当に最初からこの項目が必要なのか?必要だとしても後からではダメか?」と吟味して、必要最小限にしてください。
ネット広告
ネット広告は強力な集客施策のひとつです。
中でも検索連動型広告とリターゲティング広告は、問い合わせに直接つながる、確度の高い広告手法です。
検索連動型広告
検索連動型広告は、リスティング広告、キーワード広告、PPC広告と呼ばれることもあります。
Googleなどの検索エンジンで「外壁塗装 〇〇市」などで検索した際に、検索結果画面の上部に文字の広告を表示させるというものです。
検索連動型広告は、表示された広告をクリックされるごとにお金がかかります。
他社がどれくらい出しているかによって上下しますが、安い地域だと1クリックあたり150円ほど、高いと1クリックあたり400円500円くらいの地域もあります。
よく使われる検索エンジン、GoogleとYahoo!に配信するのはマストですが、最近はMicrosoftがやってるBingという検索エンジンの利用者が増えています。
BingはGoogleやYahoo!と比べるとまだまだ利用者数は少ないですが、競合他社がまだあまり広告を出していないため、クリックあたりの費用がとても安くおトクなんです。
こちらもぜひ配信を検討してください。
リターゲティング広告
皆さんは、どこかのHPを見たあとしばらく、そのHPの広告がやたら出るようになるな・・・と思ったことはありませんか?
それはリターゲティング広告といって、訪問者に広告を一定期間、繰り返して表示する手法です。
これも検索連動型広告に次いで効果の高い広告手法ですので、ぜひ配信して下さい。
一点注意があります。実はリターゲティング広告は近々使えなくなる広告手法です。
効果が高いのでひとまず直近では使いつつ、使えなくなった頃にまたこの塾コンテンツで代替案をご紹介します。
SNS広告
各SNSにも広告が配信できます。
オススメはFacebookとInstagramに配信できる、Meta広告です。
特にリターゲティング広告が出せなくなった時、Meta広告は頼りになる選択肢のひとつだと思います。
外壁塗装の顧客層は40代50代が中心です。
FacebookやInstagramにはこの年代のユーザーが多いので、配信先としてはピッタリです。
検索連動型広告と違って、広告のタイプが多いです。
一枚画のバナータイプ、横にスライドするカルーセルタイプ、動画の広告も配信できます。
予算
ネット広告の予算はいくらぐらい必要なの?と気になる方も多いと思います。
ネット広告は1日いくらまでといった感じで、予算が自分で決められます。
検索広告やリターゲティング広告は、クリックごとにお金がかかりますので、たくさんクリックされてその日の予算が無くなったら、次の日までは配信されない、そういう仕組みです。
例えば検索連動型広告、月の予算が100,000円の場合、1日の予算が3,300円です。
1クリック300円だとすれば1日あたり11クリック、月で330クリックほどです。
その中で仮に問い合わせ率が1%であれば、330クリック×1%と計算し、月に3件程度の問い合わせが期待できるという計算です。
100,000円で3件の問い合わせだと厳しいという場合は、ここまでお伝えした形でHPの内容を改善したり、または問い合わせのハードルを下げたりすることで、1%が1.3%や1.7%になったりするでしょう。
またリターゲティング広告はクリック単価が安いので、予算をそちらに振ったりと、工夫して運用してください。
この3つの広告タイプ、検索連動型広告・リターゲティング広告・SNS広告について、この優先度順で配信を検討してみてください。
なおネット広告は、自社で広告を配信することも出来るのですが、他社は専門知識を持った代理店やコンサルに依頼していることが多いです。
設定や運用は未経験の方にはかなり難しく、そうなると勝ち目がありません。
できればネット広告の代理店に依頼する方が無難です。
代理店に依頼すると、代理店によって若干違いますが多くの場合、予算の20%前後を運用費として支払います。
例えば月に100,000円配信する時は、その20%、20,000円を別途支払うという形です。
月額の最低費用が定まっていたり、契約期間の縛りがあったり、初期設定やバナー作成などで別途費用が発生することが多いので、相談する際は確認してください。
チラシの効果検証
私たちはネット専門ですので、チラシの作成はやったことがありません。
しかしチラシを配ると、それを見た方がHPに来て問い合わせにつながるという流れは確かにあります。
そこでチラシにある仕掛けをすることで、チラシからの効果を検証しましょう。
おそらくチラシに二次元バーコードを印刷していると思います。
その二次元バーコードのURLに、計測パラメータを付けてください。
これは色々やり方があるのですが、私たちはURLの最後に、
?utm_source=offline&utm_medium=qr
と付ける事が多いです。
例えばURLが https://sherlocks.co.jp/ なら、 https://sherlocks.co.jp/?utm_source=offline&utm_medium=qr といった具合です。
この計測パラメータを付けたURLを二次元バーコードとして印刷するのです。
そうすると、この二次元バーコードを読んでHPに来た方のアクセスが、アクセス解析ツールGA4にこのように集計されます。
これだけでチラシの効果の全てが分かるわけではありませんが、「今月のチラシは先月よりアクセスが多かったな」と比較ができたり、またもし仮にアクセスが全く無いという場合は、さすがにちょっと見直した方が良いのでは?という気づきにつながったりするでしょう。
まとめ
さあ、私たちが実際にご支援する際の、戦略立てから個別の施策まで全部話しました。
ぜひこの手法をどんどんマネしてください。
この記事をご覧になった皆さんのお店にたくさんの問い合わせが来ることを、心から願っています。
▼この記事を書いた人
株式会社シャーロック代表。