リスティング広告キーワードの掛け合わせ、どうやって作っていますか?
リスティング広告の運用者にとって、 KARABINER(カラビナ) や キーワード掛けあわせツール などのウェブサービスは、パパッと掛け合わせが作れてとても便利ですね。私もよく利用しています(いつもありがとうございます!)。
あとはExcelのCONCATENATE関数や文字列結合を使う方も多いでしょう。
ただどれも、キーワード数の上限があったり、Excelだとふたつしか掛け合わせできなかったり、掛け合わせたあとの工程が面倒だったりして、これらが解決できればさらに楽になりそうだなと思ってました。
そこで私はそれらの問題をクリアする、Microsoft Accessを使う方法を紹介します。
Accessを使う利点は、
- キーワード数や掛け合わせ数の制限が無い
- キーワード数が増えても、作業工数は変わらない
- 掛けあわせた後のキーワードを並べ替えなくてよい
- 絞り込み部分一致の「+」を、Accessは計算式と認識しない
- 3語の掛け合わせと一緒に、2語の掛け合わせも作れて楽
などです。
Accessを使った掛け合わせの手順
ここでは「大分市の地名と、整骨院の類語と、ランキングなど補足キーワード」の3つを掛け合わせて作ってみます。
手順は3段階あります。
- 掛け合わせごとにテーブルを作る
- クエリを作る
- 実行
1. 掛け合わせごとにテーブルを作る
これはテキストファイルやExcelのデータを貼り付けるだけでOKです。
地域テーブル、整骨院の類語テーブル、補足系キーワードのテーブル、3つ作ります。
まずは「作成」→「テーブル」を選択し、
Excelからコピーしてきたデータを、
右クリックして「フィールドとして貼り付け」を選びます。
(ちなみにIDというフィールドが自動で作られますが気にしないでください)
後でわかりやすくするため、ここに「地域名」というフィールド名を付けておきます。
これでひとつテーブルが完成です。いろいろ言ってますが、要はコピペしただけです。Ctrl+sで、「地域名」というテーブル名を付けて保存します。
これを繰り返して、地名・整骨院・補足系キーワードの3つのテーブルを作りました。
なお整骨院テーブルには、「整骨院」「接骨院」「ほねつぎ」などのキーワードが、また、補足系キーワードテーブルには、「安い」「おすすめ」などのキーワードが入っています。
ちなみに補足系キーワードに、空行を入れています。こうやると、2語だけの掛け合わせも同時に作れます。
2. クエリを作る
クエリとは、掛け合わせをするための命令文です。「クエリを作る」とは「掛け合わせの命令文を作る」という意味です。
ただし命令文と言っても、今回はとにかく全て掛け合わせればOKですので簡単です。
「作成」→「クエリデザイン」をクリックします。
テーブル一覧が表示されたら、全てのテーブルを「追加」してください。
このようにテーブルとフィールド一覧が表示されますので、それぞれのフィールドをここへドラッグして並べます。
3. 実行する
「実行」ボタンをクリックすると、掛け合わせの結果が表示されます。
2語の掛け合わせも出来てますね。
あとはコピーしてExcelやAdWordsEditorなどに貼り付けてください。
どうです?実際やってみたら簡単ですよね!
補足情報
キーワードに+を付けて絞り込み部分一致にも出来ます。
この細い部分をつまんで左右にドラッグすると、フィールドの順序を変更できます。
データのソート指定はここで出来ます。
今回はデータを準備する際にAccessのテーブルに直接コピペしてますが、エクセルのシートを「リンク」すると、Excelで修正したものがすぐにAccessに反映されるようになります。データの一元性が保てますし、データの修正が多い場合などはこちらのほうが良いでしょうね。
Accessではレコードセットのサイズは最大1GBという制限のようです。例えば1レコード2KBだとすると、50万件くらいいけるっぽいですね。
最後に
さていかがでしたでしょうか。
キーワードの掛け合わせ作業自体は単純なものですから、こういうのはコピペ一発で出来るようにしておけば、頭を使う作業の方にリソースを割けると思います。
Accessを持ってないという方は、MySQLやPostgreSQLなど他のRDBMSを使っても同じことが出来ます。しかしキーワードのインポートが面倒ですし、SQL文が手書きですし、環境によっては文字コードの問題も出てきたりしますので、買っちゃっても良いと思います。最近Accessって安くなりましたよね(とか言いつつまだ2010を使ってますが…)。