自治体の方向け、インターネット広告で成果を出すための5つのポイント

弊社ではこれまで大分県内外にて、多くの自治体さま案件を請けてきました。
しかしその中には「そのやり方では成果が出ないな・・・」と思う内容のものがありました。

それらの多くは、特に何か技術的に難しいことが必要なのではありません。
単に知っているか知らないかだけで、成果が大きく変わってくるものばかりでした。
そこでこの記事では自治体の方向けに、ネット広告でキャンペーンを打つ時に必要な考え方をやさしくお伝えします。

インターネット広告で成果を出すための5つのポイント

目的を明確にする

インターネット広告は、キャンペーンの目的によって計測すべき指標や初期設定が大きく変わります。
ですので必ず目的を明確にしてください。

「たくさんの人に知ってもらいたい」は、目的としては曖昧すぎてダメです。
より多くの人にHPに来てもらう事なのか、HPに来ずとも広告が多く表示されればOKか、何か登録をしてもらう事なのか、動画を多く見てもらう事なのか、ダウンロードをしてもらう事なのかなど、必ず具体的な目的をひとつ決めて下さい。

ただし登録やダウンロードといった、HP内で何らかのアクションを計測したい場合は注意が必要です。

自治体のHPには計測するためのプログラム(計測タグ)を設置できないことが多いため、技術的な面からも要件の実現可能性を考えておく必要があるからです。

  • 多くの人にHPに来てもらう:計測可
  • YouTube上の動画を多く見てもらう:計測可
  • 会員登録など、フォームに登録してもらう:自治体HPではまず計測不可。
    ※外部のキャンペーンサイトなら計測可能なことも多い。
  • 広告をたくさんの人に見てもらう:計測可
  • 外部ショッピングサイトで購入してもらう:要確認、サイトによる。
  • データのダウンロードをしてもらう:自治体HPではまず計測不可。
    ※外部のキャンペーンサイトなら計測可能なことも多い。

中には予め計測のための設定が必要なものがありますので、途中から「〇〇の回数を計測してほしい」と言っても難しいかもしれません。
最初から目的を明確にしておきましょう。

小さく作ってたくさん試す

ネット広告が既存広告媒体と大きく違うポイントのひとつに、「改善施策を回しやすい」があります。

広告の表示回数やクリック数などが随時分かり、また広告文やバナーの差し替えが(印刷物やTVCMなどと比べて)やりやすいためです。
バナーや広告文をいくつか作って、1ヶ月くらい配信して、途中結果を見て、それを元に改善策を打つ。
これを何度か繰り返すことこそが、ネット広告で成功するためのポイントなのです。

しかしながら例えば「FacebookとYahoo!にこの広告を出してほしい、動画もすでに作ったのでこれをお願い」といった案件ですと、一発勝負のギャンブルになってしまい、ネット広告の良さが全く活かされません。
ですので効果を重視するのであれば、改善を前提として話の外枠だけ決めておき、あとは進捗を見ながら柔軟に運用していくべきなのです。
また同時に、そのような改善提案をしてくれる代理店に依頼するのが良いでしょう。

広告アカウントは、各自治体の部署で持つ

ネット広告を配信する際、設定や入稿をするための「広告アカウント」というものが必要です。
そしてこの広告アカウントは、案件ごとにその都度、代理店が作ることがほとんどです。
しかしこれは良くありません。

広告アカウントには、単なる設定や広告だけでなく、どんな属性の人がいつどのような場所でクリックすると成果につながりやすいかといったデータが大量に入っています。
GoogleやFacebookなどの広告システムには、このようなデータを元にAIが配信を最適化する機能があります。
そしてこれらの情報は、案件終了時のエクセルレポートの中には入りません。

案件ごとに代理店が変わり、その都度に広告アカウントが変わってしまうと、せっかくお金をかけて得た以前のデータが全く活かされず、毎回ゼロからの学習が始まるのです。
ですので、アカウントは各自治体の担当部署が作り、それに代理店がアクセスできるよう権限を付ける形が望ましいです。

この「アカウントは担当部署が所有する」事がとても大切です。
アカウントは担当部署で所有し、代理店にその都度アクセス権限を付けるようにすると、よりキャンペーンの成果が上がるでしょう。

SNSアカウントを使い捨てない

SNS広告を配信する場合、SNSアカウントが必要です。
この時、広告配信のためだけにSNSアカウントを作り、特に投稿などもせず、配信が終了したら終わりというケースがあります。
しかしそもそもSNS広告は、通常から運用しているアカウントを使って配信してこそ、効果があるものです。

確かに常日頃からSNSアカウントを運用するのは手間がかかりますし、部署内でのルール決めなども必要でしょう。
しかしキャンペーンの開始と同時にアカウントを作って、終了したらもう投稿はしない。このようなキャンペーンはあまりにも燃費が悪く、それだったらSNSではない広告の方が良いです。

例えば広告予算の一部を、アカウント運用費に充てられないでしょうか?
広告配信前からアカウントの運用を始めておき、週に2,3回ほど有益な情報を配信するようにしましょう。
そうすれば広告配信時点である程度のフォロワーが獲得できていますので、広告効果が上がる以外にも、キャンペーン終了後も継続して情報を届けるための仕組みが作れます。

TVCM用の動画をネット広告用に使い回さない

広告(に限らず全てのコンテンツ)は、表示される場所に最適なものでなくてはいけません。
TV用のCM動画は、TVで再生されることを想定して作られたものですので、これをそのまま他の媒体で流すと上手く行きません。

例えばFacebookやInstagram広告では、初期状態では音が出ないので、字幕が無いと何を言っているか分かりません。
さらに、自動的に動画が再生されないようにしている人も多いです。

またYouTube広告は5秒でスキップされますので、最初の5秒で言いたいことを伝えてしまう必要があります。
しかしTVCMはYouTube広告と構成が全く違います。
最初の5秒くらいは何となく山や川が映り、「豊かな自然に恵まれた大分の郷・・・」といった感じで何のCMなのかサッパリ分からない動画を、終わりまで見続けてくれる人はほとんどいません。

YouTube広告に限らずネットの動画広告では必ず、言いたいことを最初に言ってしまいましょう。

またTVCM用動画はバリエーションが少ないので、例えば初月の進捗がイマイチだった場合に変更ができません。
ネット動画広告で成果を出すなら必ず、ネット動画広告用の体制を用意しましょう。

まとめ

上記はあくまで弊社の考えであり、代理店によって異なる場合があります。 また全てのキャンペーンで、一概に同じ事が言えるとも限りません。
しかしながらこれまでこういうケースが多かったため、もし改善にお悩みの自治体の方がおられましたら、参考にして頂けますと幸いです。